花の仕事をしている私にとって、花市場に花を買い付けに行くことが一つの楽しみになっている。
早朝から活気に満ち溢れている市場で働く仲間の笑顔や、威勢の良い挨拶、きびきびとした動作に、昨日の疲れも吹っ飛び元気をもらえるからだ。
そして多種多様の季節の花が、私を連れて帰ってと言わんばかりに出迎えてくれる。
そんな環境だから、つい作品制作に使用したい花以外の花を衝動買いしてしまう商いには不向きの性格だ。
市場から職場に戻ってきてもまだ朝の八時半、これから会社に向かう人々の眠たそうな表情の波をかき分け、ひと仕事終わったシャキッとした気分で花を工房に運び入れ優越感にひたり「早起きは三文の徳」を実感する。
がしかし黄昏時になると目がしょぼしょぼし始め、あくびが出る私はまだまだ気合が足りない半端ものなのだ。