尿路結石を抱えたまま熊本に外せない仕事に出かけたことがある。
なった方はわかるだろうが、耐え難い痛みに冷や汗が止まらないぐらい強い鈍痛が続く。座薬を投与し恐る恐る出かけたが、悪い予感が的中し仕事本番前日、激しい痛みが始まった。予備の座薬は使い果たしていた為、市内の町医者に駆け込んだ。
問診もそっちのけで「尿路結石で下腹部と背中が・・・いい痛いんです」とたどたどしい口調で先生に伝えたところ、まるで私が痛がってるのを楽しんでいるような満面の笑みで「ハハハ~君は健康だね」と意外な言葉を返してきたのだ。
私は痛みと戦っているもうろうとした心の中で「このやぶ医師や~」と叫んだ。
「なんでこんな状態が健康なんですか」と苦しい中、言葉を振り絞り尋ねると「だって君の腹で何か悪さが起きていて何も感じないより、脳に悪さの痛みが正常に送られてくることは正常で健康な証でしょう」その答えに唖然とした。
拍子抜けしてしまった私の痛みは、何故か少し和らぎ始め点滴後、座薬をもらい町医者を後にした。
後々冷静に考えるとあの先生はやぶ医者ではなく名医だ。
痛みで興奮し不安がっていた私の心と体を見事に言葉で修復し安心感を与えてくれた先生は優れた東洋医学の星です。今度お会いするときは痛みなしでいろいろなお話をお聞かせください。