ドキドキめんたりー

街路樹として植えられたコブシの花が、力強いたたずまいで咲いている。

まるで天に向かい拳を突き上げたような表情だから先人が「コブシ」と名付けたのだろう。

数週間後、同じ道沿いのコブシの花に目をやると、枯れ枝に引っかかり垂れ下がった無数のだらしない白い靴下のように見えたから可笑しい。

あの時見た力強さとはかけ離れ、くたびれ果てたその姿は勝負を終え、やり切った達成感の後にくる脱力感のように映る。

しかしよく観察して見ると、疲れた白い靴下の陰にひっそりと若葉が根付いているではないか。その姿はまさに美しい、いのちの継承だ。

私にとってこの「コブシの物語」は多くを感じ、良き学びの場となった幸せな二週間であった。

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