新文化を生む方程式

これはこうすべきだ、これはこのように使うと固定概念で物事を決めつけることによって、想像の幅が狭くなり道を究めた発想からは、なかなか新しい文化は生まれにくい。

もちろん守り受け継がなくてはいけない大切な文化もこの世にはたくさんあるが、私は今までにはない暮らしに息づく、新たな発想を生むことが大好きだ。

その為には、物語を想像することが欠かせない。

例えば、思い付きで吐き古したボロボロの靴に、花を活け玄関に飾ってみたところ、訪ねてきた友人が「これなんだよ、花は花瓶や水盤に活けるものでしょ」と感想を述べたということは、彼にとって邪道、外道な発想であり、受け入れがたい作品であると判断する。ここに大きなチャンスがある。

さて、ここで物語が、道を外した唐突な発想から必然性を帯びた作品に生まれ変わるマジックになる。「花はある場所に根を張り咲いたら、生涯その場所で生きていかなくてはならない。でも僕ら人間のように博多、大阪、名古屋、仙台、札幌など自由に旅したいと思ってるかもしれないよね。だから同じ生き物として、花に靴を履かせてみたんだよ。」と彼に告げる。

「そうか、そんなこと考えてもみなかった。でも話を聞いていると、なぜか優しい気持になれるよね、僕もやってみようかな。」という具合で、人から人へ飛び火し5年後には、靴に活けた花が玄関に満ち溢れているかもしれないのだ。

私の挑戦はこんな発想、生活にあってもよかったよな、という物語から始まる

いまだ見ぬ文化発信なのだ。

TOP