植物の気持ちになって

車を走らせながら左右に目をやると、国道沿いに並ぶ街路樹が夏空を背景に青々しく爽やかだ。だが一本一本の立ち姿を観察していると、やたら成長が早いものや新芽がまだ多く残っているもの、そして枯れてしまったものなど、個体差があることに気が付く。この状況を果たして元気な子、弱い子と判断してよいのだろうか。それとも植えられた立地の日照度や風通し条件によって、このような差が出ているのか気になる。すべての生き物には、与えられた運命があるわけだが、もし立地条件によって枯れてしまったのなら、天命ではなく高い建物に太陽を奪われたり、ビルの谷間風をまともに受けたりする人災なのではなかろうか。この様態をただの不運と済ませるのではなく、これからの時代は、共に生活する生き物として、すべての街路樹に快適なすみかを与えられる理想の街づくりができるマインドが育ってほしい。

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