気持ちを変える一言

コロナウィールスが世界中に広がり、私も生まれて初めて緊急事態宣言生活を体験した。
日本は法律上ロックアウト(都市封鎖)は出来ないまでも、企業や個人が感染防衛を余儀なくされ、感染リスクがある行為を極力とらず自宅待機を基本とする生活スタイルを国が促した。

 

そんなさなか私が尊敬している団塊世代の恩師から連絡が入った。

 

「景ちゃん元気、話があるから僕の事務所に遊びに来ない」

 

私はこの事態のさなか、「○○さん、行きたいのは山々ですが収束後ではまずいですか」と返答した。
すると彼は「コロナにビビってるね。そうだよな、緊急事態宣言が出ているもんな。でもね、僕にとっての緊急事態はこの世から女性がいなくなった時だけなんだよ」と、はつらつとした声で明るくしゃべる。

 

私は思わず笑ってしまった。

 

確かにそんなことになったら生きる楽しみも無く、人間生命存続の危機だ。理不尽だったかもしれないが「分かりました。今から行きます」さすが○○さん気持ちがでかい。
事務所に着いた私はさらに彼に勇気づけられ、少々モグラになっていた気持ちが解き放され、帰りの車中、上々の青空と何も変わらぬ都会の緑に明るい未来を描いていた。

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