無駄がない生き方

野山に咲く花にとって子孫繁栄は、祖先から受け継ぎつづけてきた最大なる課題である。

植物の交配や種の運び方は様々で、風を利用したり、昆虫や動物そして鳥の力を借りたり、水に運んでもらったり様々である。

季節で言うならば、植物の交配を助ける生き物が活発に行動をとる春夏秋が最も適した開花や実りの時期なのだが、あえて生き物が少ない寒い時期を選び開花する花もあるのだ。

例えばツバキなどがその一つである。なぜ交配確率の低い冬に美しく咲くのであろうか。

専門家に聞いたところ、冬に渡り鳥として日本にやってくるメジロなどの鳥のために咲いているという。

この自然の掟をだれが決めたのか、不思議でならない。

完璧にはなりえない人間に対して、植物の営みは無駄がない完璧な秩序ある

生き物だと、ただただ彼らの生き方に頭の下がる思いである。

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