自宅近くにインドカレーの店がオープンした。私は興味津々、店に出向いた。
イラッシャ~マセ~とたどたどしい日本語で出迎えてくれた支配人らしき男は、
ネパール出身だという。
調理場にいる二人も同郷で、日本にあるインド料理屋の多くはネパール人が経営しているという話を聞いた私は、無性にネパール料理が食べたくなった。
わがままを言って支配人にネパールの家庭の味をお願いしてみると、イデスヨ~と快く引き受けてくれた。
料理は野菜多めでお任せしますと注文し、食卓に運ばれてきたものは、大根、キュウリ、ピーマン、玉ねぎ、レモン、鶏肉を複数のスパイスで絡み合わせたサラダとオクラ、トマト、小さい豆を具に複雑な香辛料であえた煮込みカレーだった。
私の後から隣の席に着いた客は、この人何を注文したのだろうと、チラ見しながら不思議そうな顔をしていた。
ヤサイ二カレーカケタベルゥ~と言われ、見た目はミスマッチだったが、言われた通りドバーとかけスプーン山盛りを口に投入。・・・・・・? 初めて味わった取り合わせと触感は刺激的で、すこぶる美味く忘れられぬ味だった。
その後、未だにこの店のカレーは食べたことなく、「いつものください」とインド料理屋でネパールの味を楽しんでいる。