アナログ中心の時代に生まれ育った私は、急速に発展するデジタル社会に戸惑いつつも必死にしがみついている現在である。少なくとも私が花と出会い、語り合い、デザインをほどこすプロセスにおいてデジタルの力は不必要だ。しかし、その花をもっと深く知りたい時やより多くの花の魅力をわかち合いたい時などはデジタルが役立つこともある。
デジタルに委ねていいことと、決して譲れないことを区分けしなければ、ついつい知識や情報で頭の中をいっぱいにしてしまうだけで、行動がもたらす観察力や想像力がおろそかになってしまう。
私にとってフラワーデザインとは、足で多くを学び、体験から得た知識を活用しその行為がうまく表現に結びついた時、花とともに生きている喜びと生きがいを強く感じることなのだ。