水と大気をたたえる地球は、私たち生きものすべての”すみか”である。地上、水中を問わず生きものすべては与えられた環境に対応しながら精一杯生きている。
人もこの星に生まれ、いつしか大地に根付く植物と出会った。花と人とが関わってきた歴史を振り返ればきりがないが、この世で生まれた花文化の大半が植物本意という発想ではなく、人のために考えられたものであったようにも思える。
大地から切りはなされた植物の居座る多くを人は花器に委ねる。しかし、その花器のバリエーションが質感や形の変化にしかすぎないものが多いことが気になる。
より花の気持ちになり、彼らにとって居心地のよい機能や環境を思いやった”花のすみか”を地球上の仲間として考えていかなければ……という思いでいっぱいだ。