花にはいろいろな色がある。そして、その色は四季折々に美しく大地を染め上げる。けっして私たちが真似できない才能にいつも癒されている私は幸せこのうえない。
先日、あるニュースが私の耳に入ってきた。某企業が開発した青いバラが、花として初めて日本グッドデザイン大賞を受賞したという事だった。しかし、実際そのバラを目の前にしたとき、まるで造られた花のように感じてしまった。優秀な技術者の方々が必死な思いで作り上げた命に対して大変失礼な発言ではあるが、どうしてもそのようにしか思えない。
今は亡き私の尊敬する植物学の先生が言ったことを思い出す。「植物には青い色はあまり必要ないよ。だって空と海がとっちゃったんだから」私は青い空を眺めながらその先生の笑顔を懐かしく思い出すのである。