長崎にあるハウステンボスへ仕事に出向いた。
そこは草花が無限に広がるヨーロッパの街並みを再現した異空間だ。良く見かける中途半端な外国文化のモノマネとは違い、どこをとっても見事だ。むしろヨーロッパの佇まいより美しいかもしれない。そして、このレジャー施設には派手な乗り物やハイテクアトラクションはない。それだけに、私にとってはすこぶる心地よい。
広い空を流れる雲、光り輝く海に跳ねる魚、多彩な植物の美しさや香りの豊かさ、のどかな鳥のさえずり、石畳をゆく馬の軽快な足音、すがすがしく濃い空気、さわやかな笑顔あふれる宿泊先ーーーー心がただただ癒される。ハイテク時代だからこそこのような空間が新鮮に感じられ、私の五感を素朴に満たしてくれる。
仕事も終わり、二日ぶりに園外に出た。
そこにも園内に勝ると劣らぬ美しい日本の風景が広がっており、今まで体験したことのないカルチャーショックを覚えた。
ーーーなんと幸せな夢のようなひとときであったことか。