あこがれ。

若き日の私はいろいろな所に気の向くまま着地する放浪癖があった。あの頃は怖いものもの知らずに好奇心がついつい増長し、見るもの聞くもの全てが新鮮だった。

しかし今は自分以外の数多くの責任を抱え、できること、できないことの判別をしてから行動をとる生き方モードに変化している。「まあいいか……あの頃の体験や経験が今の私にポジティブな力を与えてくれているのなら。」

そんなことを考えていた矢先、いつの間にか庭にムラサキハナナの花が咲いていることに気が付いた。今まで一度も庭に咲いたことのない花だ。おそらく風に乗って種子が庭に着地し、開花したのだろう。そんな風まかせで自由な植物の生き方に、今の私はあこがれる。

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