フラワーデザインという文化が西洋から日本に紹介されて、半世紀が経つ。それ以前はフラワーデザインのことを花卉装飾と呼んでいた。フラワーデザインが爆発的に我が国で発展を遂げた時代背景には、女性が社会進出への夢や希望を抱いたり、日本人が西洋への憧れを強く感じていたり、お稽古や習いごとがもたらすステータスや自信を身に付けたいなどの気持ちが、今以上にあったのだと思う。
そして今、時は流れ、時代は変わり……男性よりもより多くの女性がいきいきとし、自国や個人に対するプライドが高まり、自分自身に必要な知識や情報をいち早く手に入れることができるようになった。
しかし、時代を超えた普遍的な価値観もある。花は美しい。自己実現の追求をしたい。楽しく生活したい。これらの価値観を大切に、花に携わってきた私の普遍的な価値観は「人を感動させ、感動したい」という、感想をわかち合う喜びである。