たかが金魚されど金魚
毎年、アートアクアリウムと題して何千匹の金魚を使い展示会を行っている。
私も過去一度だけ出向いたことがある。それはそれは、私たち人間にとっては
色鮮やかな無数の金魚が舞うロマンチックなおとぎ話の世界が広がっていた。
しかし私は素直に楽しむことはできず複雑な心境を抱えたまま会場を後にした。
金魚本位に考えると、飛びまくるレイザー光線を浴び、闇夜の空間にさまよい、狭い水槽の中に三密状態でひしめき合い、隠れたり休息する水草もなく、回転する水槽の中で泳ぎバランスを崩している金魚たちにとっては、決して幸せな環境とは言えぬ条件だ。
そんな過酷な世界に泳ぐ金魚たちを鑑賞していても、私は心豊かにはなれない。
人間本位に金魚をもてあそび楽しむ文化より、金魚も同じいきものという価値で彼らに幸せな環境を与えてこそ、それを鑑賞する私たち人間も幸せで豊かな気持ちになれる世界観が、これからの時代にフィットする「生きとし生けるもの」へのいたわりと感謝のマインドだと思うのだが。